BDソフト「ネイチャー」で家庭用のドルビーアトモスが国内でスタートしてから、丸2年が経とうとしています。
自身も天井スピーカーを2本の7.2.2ch環境でスタートし、5.2.4chを経て7.2.4chまで実践して来ました。
この2年間の印象なのですが、当初はもっとソフトが進化するはずだと思っていました。・・伸びしろがあるはずだと。
しかしソフト自体の出来は変わっていないように思います。
むしろその伸びしろの一部は、ユーザー自身に求められることに気づきました。
つまり、正しい基本セッティングを詰めることです。
至極当然なことのようですが、ドルビーアトモス(オブジェクトベースサラウンド)ではこのことが重要でした。
従来の5.1や7.1chの延長で、大まかな妥協型セッティングに天井スピーカーを足しただけでは、本来の音で聴けない可能性が高いです。
あらためてそのポイントを挙げておきます。
・スピーカー配置
ITU-Rや取説にある推奨配置を守ることです。フロントの60°は案外効きます。
・音量バランス
フロアスピーカーの前後の音量、それと天井スピーカー前後の音量、このセンターが視聴位置と合致するようにします。
この図は理想図で、視聴位置は部屋の真ん中近くにあります。
これらを押さえた上で、家庭用ドルビーアトモス2年間の体感評価はどうか?
苦労して天井スピーカーを取付けた、そのご利益はどれほどのものか。
個人的には、従来型の9.1ch(7.1プラスフロントハイト)や11.1ch(プラスフロントワイド)との比較で、2割増し程度だと思っています。
2割増しの満足度は人それぞれでしょう。現に当初から満足している人はいました。(過去の自前アンケートより)
しかし当初の売り文句では、6割増しくらいの期待を持たされましたから、個人的な評価は低い方です。
ただ単に「上から音がすること」を喜ぶならば、それで良いのでしょうけど、「オブジェクトベースサラウンド」とは本来そんな単純なものでは無かったはずでは?という思いがあります。
例えば、フロアスピーカーの2本または3本と、天井スピーカーの1本または2本を利用して、任意な空間にファントムを生成するというのがその理屈なはず。
しかし、最近では「イマーシブ・オーディオ」にその呼称をすり替え、オブジェクトという視点を外して誤魔化されたために、オブジェクトの有り無し云々を言うのは僕くらいでしょう。
正直、Z方向に音を足しただけにしか聴こえない内容のソフトが大半ではないかと思っています。
ドルビーアトモス ホームとは、結局こんなもの・・なのでしょうか。・・2年経っても。
・・いや案外こんなもので、これで満足すべきかも知れません。
これまで聴いた、わかりやすく移動するオブジェクトの例は・・
「ネイチャー」の波と滝の水しぶき。
「ONKYO&PIONEERのデモディスク」のハエが飛び回る音。
「パラマウント」オープニングトレーラーの星が飛んで行く音。
どれも単純な単一音源のみ?
映画の複雑な音響デザインでは、他の音に紛れてわかりにくくなってしまうのか。
それをわかった上だから作り込んでいないのか。
あえてこれらを強調するような画作り・・3Dのはしり「飛び出す映画」の様に、槍をわざと観客に突き出す不自然な演出の作品もなかなか無いだろうし。
故ロビン・ウィリアムズ主演の「フラバー」のような作品ならどうなるか、観てみたい気もします。
個人的には、今後も過度の期待は持たない方が良いと思うことにしています。
何か技術的フィーチャーの追加がない限りは。
一方で、「Dolby Surround」や「Neural:X」といった2つの汎用拡張サラウンドが手に入るという点で天井スピーカーを付ける価値があるというのが救いです。
DTS:Xについては、その名前のみが先行した割にソフトが無さ過ぎ。
ハードも含めてやっと漕ぎ出したかなという程度なのですから、後日また記事をあらためます。
「海」のシーンの波と「滝つぼ」のシーンは地味ですが、アトモスの見本の1つです。
ネイチャー【Blu-ray】 [ パトリック・モリス ]

この2年間の印象なのですが、当初はもっとソフトが進化するはずだと思っていました。・・伸びしろがあるはずだと。
しかしソフト自体の出来は変わっていないように思います。
むしろその伸びしろの一部は、ユーザー自身に求められることに気づきました。
つまり、正しい基本セッティングを詰めることです。
至極当然なことのようですが、ドルビーアトモス(オブジェクトベースサラウンド)ではこのことが重要でした。
従来の5.1や7.1chの延長で、大まかな妥協型セッティングに天井スピーカーを足しただけでは、本来の音で聴けない可能性が高いです。
あらためてそのポイントを挙げておきます。
・スピーカー配置
ITU-Rや取説にある推奨配置を守ることです。フロントの60°は案外効きます。
・音量バランス

この図は理想図で、視聴位置は部屋の真ん中近くにあります。
これらを押さえた上で、家庭用ドルビーアトモス2年間の体感評価はどうか?
苦労して天井スピーカーを取付けた、そのご利益はどれほどのものか。
個人的には、従来型の9.1ch(7.1プラスフロントハイト)や11.1ch(プラスフロントワイド)との比較で、2割増し程度だと思っています。
2割増しの満足度は人それぞれでしょう。現に当初から満足している人はいました。(過去の自前アンケートより)
しかし当初の売り文句では、6割増しくらいの期待を持たされましたから、個人的な評価は低い方です。
ただ単に「上から音がすること」を喜ぶならば、それで良いのでしょうけど、「オブジェクトベースサラウンド」とは本来そんな単純なものでは無かったはずでは?という思いがあります。

しかし、最近では「イマーシブ・オーディオ」にその呼称をすり替え、オブジェクトという視点を外して誤魔化されたために、オブジェクトの有り無し云々を言うのは僕くらいでしょう。
正直、Z方向に音を足しただけにしか聴こえない内容のソフトが大半ではないかと思っています。
ドルビーアトモス ホームとは、結局こんなもの・・なのでしょうか。・・2年経っても。
・・いや案外こんなもので、これで満足すべきかも知れません。
これまで聴いた、わかりやすく移動するオブジェクトの例は・・

「ONKYO&PIONEERのデモディスク」のハエが飛び回る音。
「パラマウント」オープニングトレーラーの星が飛んで行く音。
どれも単純な単一音源のみ?
映画の複雑な音響デザインでは、他の音に紛れてわかりにくくなってしまうのか。
それをわかった上だから作り込んでいないのか。
あえてこれらを強調するような画作り・・3Dのはしり「飛び出す映画」の様に、槍をわざと観客に突き出す不自然な演出の作品もなかなか無いだろうし。
故ロビン・ウィリアムズ主演の「フラバー」のような作品ならどうなるか、観てみたい気もします。
個人的には、今後も過度の期待は持たない方が良いと思うことにしています。
何か技術的フィーチャーの追加がない限りは。
一方で、「Dolby Surround」や「Neural:X」といった2つの汎用拡張サラウンドが手に入るという点で天井スピーカーを付ける価値があるというのが救いです。
DTS:Xについては、その名前のみが先行した割にソフトが無さ過ぎ。
ハードも含めてやっと漕ぎ出したかなという程度なのですから、後日また記事をあらためます。
「海」のシーンの波と「滝つぼ」のシーンは地味ですが、アトモスの見本の1つです。
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